海洋構造物計測装置
海底多心ケーブル方式必要
大海水、高波浪域に適用できる新型防波堤として、低反射率・低伝達率であり、かつ海水交換機能をもつ二重円筒ケーソンが旧運輸省、港湾技術研究所で開発されました。このケーソンは、八角形の底版の上に二重の円筒壁を立ち上げた構造で、その外円筒の上方には適度の開口部を設けて波浪や海水を透過させ、一方の内円筒壁は不透過構造になっています。透過した波は、外側・内側円筒壁との空間部の上部に設けられた遊水部を通り、背後でお互いに衝突して波のエネルギーを消費させるしくみになっています。
このケーソンの対波特性の実証試験および、堤体の安定性を検証するための滑動試験が行われたときに使用された計測システムについてご紹介します。
観測装置はすべて陸上に設置し、堤体ケーソンに設置された埋設計器類からの信号は、海底に埋設された多心ケーブルにより陸上観測装置に直接送られる方法を採用しています。送られてきた静的、動的データの収集、処理は、データの信頼性、操作性の容易性、収集データのバックアップなどに考慮をはらって設計製作されています。
特長
- ブリッジ電源印加方式は、定電流方式を採用しているので、精度のよい測定が可能
- 観測モードは、波高観測、一定時間間隔、毎正時観測、任意観測モードなどを備えている
- 静的試験は小型ディジタル測定器で、動的試験はシグナルコンディショナとディジタルデータレコーダを使用
- 滑動試験は、常時66時間分をハードディスクに格納し、滑動データを取り逃がさないようになっている。また、重要データは、ディジタルデータレコーダにバックアップが取れる
- 電話回線によるデータ伝送により、管理事務所で重要データのモニタや印字ができるため、観測への対応が早くできる
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- Kaiyou_Kaitei_Souchi (849.71 kB)
構 成
実証試験(静的、動的試験)
| 検出部 |
| ケーソンに設置された検出器の出力は、ジャンクションボックスに集められ、海底多心ケーブルを経由して陸上観測室にある端子ボックス、静/動切換器に導かれ、静的用、動的用機器に分けられます。 |
| 測定部(静的観測) |
| 静的観測用小の型ディジタル測定器で計測を行い、自動的に電話回線を介して管理事務所に伝送し、格納されます。 |
| 測定部(動的観測) |
| 検出部からの信号は、シグナルコンディショナで増幅され、ディジタルデータレコーダに集録されます。 波高起動観測用の波高計、波向計の信号も専用増幅器で増幅され、ディジタルデータレコーダに集録されます。 |
滑動試験
ケーソンから多心ケーブルで導かれた検出器のアナログ信号は、シグナルコンディショナで増幅され、A-D変換器でディジタル化され、データ処理器を経て、ハードディスクに格納されます。また、ハードディスク内に格納されたデータのうち重要なデータは、ディジタルデータレコーダにバックアップできるようになっています。
モニタ部(管理事務所)
管理事務所と陸上観測室とは電話回線を介して結ばれ、観測状態がモニタできます。その内容は、主要データの監視、観測データのCRT表示、データの掃き出し、動作状況の確認などです。

